BPA LIVE Vol.74 REPORT を お伝えいたします。
テーマ : パーソナルブランドプロデュース
- 誰もが自分の アパレルブランド を持てる時代
《 講 師 》 深沢 光 氏 (デザインラボ ファウンダー/クリエイティブ ディレクター)
開催日時 : 2018年 8月 7日 午後 7時 ~ 9時
開催場所 : 代官山 NOMAD ライブハウス
深沢氏は、数々のブランドを渡り歩いてきた 渡り鳥 のような方です。
「なぜ、起業されたのですか?」 という司会者の質問に、
自分はアパレル業界において、あらゆる分野の ファッション を渡り歩いてきました。
ですから、どんな場面や シチュエーションであっても、
対応できるだけの知識を 経験を 身につけている という自負がありました。
さらに、現在、
9兆円といわれるマーケットである ファッションは、
この先、1兆円まで冷え込むというようなことはないだろう
という 目論見を もっています。
そして、ITを活用し、大規模でなくても、個人がブランドをもてる
「個人 アパレルブランド 」 の形成が 可能になるだろうと 考えたからです。
と、おっしゃいました。
非常にシャイで 謙虚な ご性格の 深沢氏は、
ご自身の経歴を 声高に 話す方ではありません。
深沢氏は、早稲田大学を卒業し、
東京ブラウス 株式会社 に入社して、
婦人ブラウスやドレスのノウハウを学び、
その後、ファイブフォックスに入社されました。
ファイブフォックスは、「コムサ・デ・モード」や「ペイトンプレイス」など、
1980年代の DCブランドブーム を けん引し、
ユニセックスなデザインで、
メンズ・レディース・子供服と、着実にブランドファンをつかんだ、
現在も根強いファンを抱える ブランドです。
また、感性重視のアパレル業界の中で、
企業的手法による 商品開発・数値的管理・徹底教育 の仕組みを取り入れた企業でもあります。
資本金 7750万円 売上高 連結 754億552万円 (2016年8月期末現在) という、
9兆円産業のアパレル業界の中でも、今や、トレンドではなく、屈指の老舗企業の中で、
玩具会社とのシナジーなど、業界を超えた挑戦をする会社の中で、その風を感じて過ごされたのでしょう。
その後、株式会社 ワールドや 株式会社 丸井との契約の中で、
ブランド作りの一から十までの経験をし、紳士服やワイシャツの山喜株式会社と契約、
「マクレガー」ブランドの ニチメン ( 双日) インフィニティ 契約、
アウトドアで活躍されている 株式会社 ランドウェル の契約を経て、
2013 年に独自の信念をもった デザインラボ を設立。
現在は、自身の経験値を元に、アパレル専門特化したスタートアップのコンサルティング事業を開始し、
C to C による「個人ブランディング」の可能性に挑戦されています。
海外に目を向けると、たとえば台湾では、展示会についても、
個人が一人でも参加できる環境があり、日本の畳を使ったバッグなどの、
日本らしさを武器に勝負に挑める環境が整っているのだそうです。
さらに、深沢氏は、ファッションの生産工場を見学するビジネスなど、
これまでに、裏方であった個も、自分の アパレルブランド を確立し
ビジネスに参入するチャンスも到来しているのが、
「今」ではないかと少年のようなキラキラした瞳で、
未来のアパレル業界の可能性も示唆してくださいました。
業界人にとっては、耳の痛いであろう話として、
「現在のアパレル業界は、リーマンショック以前と同じだけのプレイヤーが存在しているけれど、
需要と供給という当然のバランスで見た時、供給者があまりに多く、そのバランスの悪さを解決する必要があると思う」
と、話されていました。
独立して、1年は自転車操業と言っても過言ではない毎日だったそうです。
目先のことで無我夢中で必死にやってきて、少しずつ、周りが見えてきたこと。
自身の身体がもたないと思ったことで、
いかに効率的に、そして、ITをどう利用していけばいいか、という次のフューズへ向かう時であったと。
「個人 アパレルブランド 」を求める人が増えていくだろうという予測の元、
今の自分を信じて突き進んでいるのが、今の毎日だとお話くださいました。
今後は、海外のメーカーと組んで、韓国・中国といった成長期のアセアン諸国に目を向け、
「IoT + ファッション」 や 「C to C」のスモールビジネスに面白味を感じているということです。
後半には、深沢氏が挑戦した クラウドファンディング のご協力をいただいた
コーレ合同会社 奥脇真人氏もゲストで参加くださいました。
深沢氏が挑戦した マクアケ について、
「マクアケの人は助けてはくれないし、 ウェブマーケティングに長けていないと思う」
「新商品の予約販売みたいなもの。 集まるのはミーハーな人。」
という意見は、かつて、BPAのメンバーで、クラウドファンディングにトライした若き挑戦者を見て、
感じるところ でもあり、思い切り首を縦に振ってしまいました。
「クラウドファンディングで勝つためには、コピーライティングや文章を作れる人が圧倒的に強い」
「人脈(クラウドファンディングでお金を出してくれるお友達)のないヒトはダメ」
「結局、初日の動員数で、運営側も態度が変わる」
等々、経験した者たちには、身に染みて感じたことでしょう。
「クラウドファンディングの失敗の理由は?」
という、厳しい会場からの質問には、
「事前に、今度、クラウドファンディングをやるので、お願いします。 と、言えなかった自分のせいだと思います。」
と、おっしゃる深沢氏の回答に、
自らのブランド構築の前に、クライアントのことや、他者のことを優先して、仕事をしている姿が垣間見られました。
自分よりも、関わる人たちや、未来を良くしたいと願うビジネスプロデューサーには、
往々にして、自分を後回しにしてしまう傾向があるようです。
以前、東京大学にて、「渋滞学」を学問として確立された、
西成活裕教授に、
「渋滞がなくなるためには、自己犠牲が必要なんですよね」
と、お話いただいたことがあります。
自己犠牲は、ネガティブにとらえられますが、チームが円滑に進むためには、
リーダーには、その資質が必要条件なのかもしれません。
他人の喜びが自分の喜びと感じられる人は、非常に尊い生き方をされているように思います。
(詳細内容は 会員サイト(BPA PORTAL)にて ご高覧いただけます。)
(※ 注 : 会員限定サイトです。閲覧資格は、有料会員(読者会員以上)となります。)
次回 BPA LIVE Vol.75 は、9月13日(木)に開催いたします。
会員映像コンテンツ作成のためクローズドの BPA LIVE となります。
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